ヘリコバクターピロリ菌について

fig13_1ヘリコバクターピロリ菌はらせん形をした細菌で1983年にオーストラリアのウォーレンとマーシャルという医学者によって発見されました。その後、世界で研究がすすみ胃潰瘍や十二指腸潰瘍の原因に深く関わっていると考えられ、除菌療法が開発されました。

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ヘリコバクタ―ピロリ菌陽性の十二指腸潰瘍

日本では2000年11月に治療が胃潰瘍、十二指腸潰瘍の診断で保険適応になり、その後適応拡大が進んで2013年より内視鏡検査で胃炎の診断を受けた場合も保険適応が認められました。

感染経路はおそらく経口感染ではないかと考えられています。よってきちんと検査間の洗浄・消毒をおこなわないと内視鏡スコープによってピロリ菌に感染してしまう可能性もあります。当クリニックはそういったことも踏まえて患者さんに安心して内視鏡検査を受けていただけるよう一回、一回検査が終わるごとに自動洗浄器にてスコープを洗浄・消毒しております。

ヘリコバクターピロリ菌性の十二指腸潰瘍

ピロリ菌はどうやって調べるのか?

尿素呼気試験用の呼気採取バッグピロリ菌の有無の検査は内視鏡検査で組織を採取して調べる方法(迅速ウレアーゼ試験、鏡顕法、培養検査)と血液検査(HP Ig-G抗体)や呼気で調べる方法(尿素呼気試験)、糞便(便中HP抗原)や尿で調べる方法などがありますが、胃炎や潰瘍の状態を調べる意味でも内視鏡検査で調べることをお勧めします。

 ←尿素呼気試験用の呼気採取バッグです。
このバッグに息を吐いて膨らませます。

除菌療法はどういった方法か?

除菌療法には一次除菌と二次除菌があり、まず一次除菌として酸分泌抑制剤(プロトンポンプインヒビター:PPI)と抗生物質2種類を1週間内服します。服用後、まれに薬のせいで軟便、下痢になったり肝機能異常、味覚異常になることがありますが、ほとんどの方は問題ありません。但し湿疹が出た場合は服用中止が必要です。

一次除菌成功率は日本ヘリコバクター学会によると約70~90%位と言われています。除菌不成功の原因はいろいろありますが、服薬がきちんと出来なかったり、抗生物質に耐性があったりする場合によくみられるようです。
ただ、一次除菌が不成功でも1種類の薬を変更して二次除菌が保険診療で行えます。よって除菌成功率はかなり上がっています。また、除菌が成功した場合、再感染する可能性は低いですが、5~10%に十二指腸のびらんや逆流性食道炎が発生することがあります。

現在、血液検査による感染診断はペプシノーゲン法と併せて胃癌のリスク検診に用いられつつあり、今後注目される検診と思われます。よって胃潰瘍、十二指腸潰瘍が難治性であったり、繰り返し潰瘍を併発される方は除菌療法の良い適応と考えます。詳しくは消化器系の専門医に一度ご相談してください。